殺虫剤の安全性

家庭用殺虫剤の安全性について

害虫など、駆除すべき虫が発生した時に使用するのが「殺虫剤」です。この殺虫剤、よく考えてみると、虫を殺す程の威力があるため、人体にも影響があるのでは?と不安になることは無いでしょうか。
この記事では、家庭用殺虫剤の安全性について考えています。その安全性に疑問のある方は、参考にしてみてください。

家庭用殺虫剤とはどのようなものなのか?

一般家庭に出現する害虫を駆除するための製品である

殺虫剤は、業務用に用いるものと一般の家庭に用いるものがあります。そして家庭用殺虫剤は、一般家庭に多く出てくる害虫を駆除する目的で作られている製品です。
一般家庭で出てくる害虫の代表例としては、ゴキブリ、ムカデ、ハエ、蚊などが挙げられます。家庭用殺虫剤は、これらの虫を駆除できるように計算されて作られています。
また、家庭の屋内だけではなく、園芸の場で出現する虫にも簡単に使える殺虫剤があります。これも家庭用殺虫剤に含まれます。

取り扱いが簡単であるのが特徴

家庭用殺虫剤の大きな特徴は、業務用のものと違って*取り扱いが簡単なのが大きな特徴です。例としてスプレータイプの家庭用殺虫剤を挙げれば、ストッパーを外してトリガーを引くだけで殺虫剤を噴射できるなど、直感的な使用ができるようになっていることが分かります。
取り扱いの点では、入手しやすいのも家庭用殺虫剤の特徴です。一般的なドラッグストアや、スーパーマーケットで購入することができます。ですので、必要な時にすぐに用意できるメリットもあります。

家庭用殺虫剤の安全性は?

薬機法の基準で検査されている

家庭用殺虫剤は危険ではないのかと気になる方も多いでしょう。しかし、その点については安心してください。家庭用殺虫剤は、薬機法によって取り締まられています。そのため、衛生害虫を駆除するものについては厚生労働省が審査をすることが義務付けられているのです。
また、衛生害虫向け以外の殺虫剤についても、各メーカーが薬機法に定められている基準で検査を行っています。それゆえに、間違った使用法をしなければ、家庭用殺虫剤の安全です。

人体に影響の無い成分で作られている

家庭用殺虫剤は、安全性が高いことが担保されています。
それゆえに、取り扱いが簡単であるという特徴があります。その安全性の担保の理由として、上記のような検査がしっかり行われていることに加え、人体やその他の生物に影響の少ない成分で作られていることが挙げられます。
特殊な殺虫剤を除き、多くの殺虫剤は人間のような哺乳類の場合、人体ですぐに分解されるようになっています。当然、同じ哺乳類である犬や猫などのペットにも、安全性が示されています。
また、殺虫剤の成分は、哺乳類などの動物だけではなく、植物にも大きく影響を与えないものが多いです。環境的にも安全だと言えるでしょう。

ピレスロイド系の殺虫成分について

ピレスロイド系殺虫剤の特徴

現存する家庭用殺虫剤の多くに含まれているのが、ピレスロイドと呼ばれる種類の殺虫成分です。このピレスロイド系殺虫剤の特徴としては、虫の神経に影響を与えて駆除する点が挙げられます。さらに微量でも十分な効果を発揮し、さらに即効性があるなども、ピレスロイド系殺虫剤の大きな特徴でしょう。
それに、ピレスロイド系の殺虫剤は虫が本能的に嫌がります。ですので、殺虫剤としてではなく、虫除け剤としても使用することが可能な成分にもなるのです。

人体の中に入ってもすぐに分解される成分である

ピレスロイド系の殺虫成分は、虫に大きな影響を与えます。しかし、ピレスロイド系の成分は、哺乳類であれば体の中に入ってもすぐに分解されます。ですので、人への安全性もかなり高いです。
また、成人だけではなく、小さいお子さんであったとしてもピレスロイド系の殺虫成分は基本的に害がありません。それにペットや虫以外の生物にも悪影響を及ぼすリスクが少ないです。この点から、ピレスロイド系の成分は、多くの殺虫剤に用いられているのです。

まとめ

強力な殺虫効果を発揮する家庭用殺虫剤。それゆえに、人体の健康にもある程度の影響があるというイメージがあったかもしれません。しかし、家庭用殺虫剤を詳しく見てみると、適切な基準が用いられており、人体には影響が無いことがわかります。
間違った使い方をすれば健康被害はあるかもしれませんが、普通に使用している限りでは、家庭用殺虫剤は安全です。この事実を知ったことにより、安心して殺虫剤を使用することが可能になるでしょう。
ハエやゴキブリなどの駆除方法もまとめています!→家庭ではどう使う?殺虫剤の使い方をご紹介
家庭で使う殺虫剤

家庭ではどう使う?殺虫剤の使い方をご紹介

殺虫剤は、農業で使われるような業務用のものから、家庭用のものまで幅広くあります。さて、そんな殺虫剤は、家庭ではどうやれば上手く使えるのでしょうか。
今回は、対象となる虫や用途別に、適切な殺虫剤の使い方をご紹介させていただきます。

飛んでくる虫への殺虫剤の使い方

ハエも蚊はスプレータイプでやっつけられる

小さく、そして飛び回る虫の代表例として、ハエや蚊が挙げられます。これらの虫には、スプレータイプの殺虫剤が効きます。
スプレータイプの殺虫剤は、使用開始前にストッパーを外します。そしてトリガーが引ける状態にして、虫の居る空間そのものに、まんべんなく薬剤を噴射するように使ってください。噴射時間は部屋の広さや殺虫剤の種類にもよりますが、概ね5秒前後です。これによって、薬剤の効能によって虫は動きが弱まったり、生き絶えたりします。
殺虫剤は虫に直接噴射しなければならないようなイメージがありますが、ハエや蚊については直接ではなくとも効果があります。

蚊には設置タイプの殺虫剤も効く

日本には昔から、蚊取り線香という殺虫剤があります。この蚊取り線香と同様に、蚊は設置型の殺虫剤でも退治することが可能です。
設置型のものには幾つかの種類があります。代表例を挙げると
  • 先述した蚊取り線香
  • マット式電気蚊取
  • 液体式電気蚊取
などです。
これらの設置型の殺虫剤には、それぞれ特徴があります。
蚊取り線香は、電気や電池を使わないため、手軽さや屋外での使用が適しています。マット式電気蚊取りは、持続性は半日から1日と短いですが、小型のものが多いため、スペースがないような場所で使うとベストです。液体式の場合は持続力があるため、殺虫効果を数十日継続したい場合に用いましょう。

 蜂など危険な飛行する虫の対処法

ハエや蚊とは違って、蜂は危険な飛行系の虫です。この蜂などの虫を退治する上では、専用のスプレー式殺虫剤が適切です。
専用のスプレー式殺虫剤は、遠くまで大量の殺虫剤が届くように設計されています。そのため、蜂と距離を取りつつ、殺虫剤を噴射できます。ハエや蚊は、空間に殺虫剤を噴射していましたが、蜂の場合は直接噴射をしてください。これは屋内でも屋外でも同様です。

ただ、蜂の巣を殺虫剤で退治する場合は、多くの蜂が反撃する可能性があります。必ず防護服など自分の身を守る装備を整えておきましょう。

家庭の大敵!ゴキブリを駆除する殺虫剤

スプレータイプの殺虫剤の使用法

ゴキブリは家庭に必ずと言っていいほど生息する害虫です。そんな家庭の大敵を駆除する上で役立つのも、ゴキブリ専用のスプレータイプの殺虫剤です。
ハエや蚊用のスプレー殺虫剤と同様に、最初はストッパーを外します。そして直接、ゴキブリの個体に噴射するようにしてください。ゴキブリは見た目は怖いですが、蜂のように大きな危害を加える虫ではありません。そのため、ある程度近づいて噴射しても大丈夫です。
なお、殺虫剤の噴射時間はゴキブリの大きさにより変わります。小さいものならば、1秒から2秒ほど、大きいものならば6秒から8秒ほどです。また、ゴキブリが隙間に逃げ込んだ場合も、その場所にスプレーを噴射することで、誘き出すことが可能になります。

燻煙タイプの殺虫剤

出現したゴキブリではなく、部屋全体に隠れているゴキブリを退治したいケースもあります。そのような場合は、燻煙タイプの殺虫剤を使用してください。
燻煙タイプは部屋全体に薬剤が撒かれるため、事前準備をしなければなりません。ゴキブリが居そうな部分を解放する、精密機器を撤去しておく、ペットや飼育用の虫を非難させておく、火元は必ず切っておくなどして環境を整えてから使用してください。
なお、燻煙タイプの殺虫剤は、部屋の広さにより使用する容量が変わります。購入前に適用される部屋の広さを確認して、適切な容量のものを購入しましょう。

設置型の殺虫剤でもゴキブリ退治はできる

ゴキブリには、設置型の殺虫剤もあります。ゴキブリが食べるような薬剤を用いるタイプのものです。
設置型の殺虫剤は、ゴキブリが生息していそうなフロア5平方メートル内に、間隔を開けて2〜4個を設置します。設置する箇所も、できるだけゴキブリが好みそうな隙間や流しの下などを選びましょう。
設置した殺虫剤は、その日から効果を発揮します。有効期限は、製品にもよりますがおおよそ半年程度です。いつ設置したのかを忘れないようにメモしておき、有効期限が切れる前に再び新しいものを設置するようにすれば効果を持続できます。

まとめ

殺虫剤は家庭において、退治する虫や、部屋の環境、用途など様々な条件で使い方が変わります。適切で、なおかつ効率の良い使用方法を心がけて、嫌な虫達を撃退するようにしましょう。
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