葉にいるアブラムシ

アブラムシの駆除や対策まとめ

植物を育てる上で、多くの被害をもたらす害虫の一つがアブラムシです。

このアブラムシは、駆除や対策をする方法があります。もしも発生してしまった時の対処や、未然に発生を防ぐための予防策など、十分な知識を身につけておくべきです。

今回はそのアブラムシの駆除や対策についてまとめましたので、ご覧ください。

アブラムシとはどんな虫?

植物の師管液を栄養に生きる

アブラムシとは、カメムシ目、アブラムシ科に所属する虫の総称です。植物に寄生して生息することで有名な虫となっています。

アブラムシが植物に寄生するのは、植物の中にある師管という部分を流れる師管液が餌になるからです。この師管液を栄養にして、生息しています。羽がついている個体以外は植物から移動することはなく、ずっと同じ植物に寄生して生きます。

このアブラムシがもたらす被害として、植物の育成を阻害したり、病原菌を媒介したりすることが挙げられます。これらの被害が起こるため、アブラムシの対策は植物を育てる上では必須とされているのです。

アリと共生する種も多い

アブラムシはとてもひ弱な昆虫です。その種類にもよりますが、簡単にダメージを受けてしまうような体をしている種類も多いです。しかし、そのようなデメリットを補うために、アリと共生する種類が多いのが特徴でしょう。

アリはアブラムシにとって、天敵から身を守ってくれるありがたい存在です。アブラムシの排泄物には糖分が含まれており、それをアリは好みます。

以上の点からも分かるように、アリに食物を与え、その見返りとして天敵から守ってもらうというギブアンドテイクの関係が出来上がっています。

アブラムシが発生する原因と特徴

肥料を与えすぎると発生する

植物の害虫であるアブラムシには、発生する原因や特徴があります。まず、アブラムシは特定の個体に羽が生えており、その個体が植物に飛来して寄生します。一つの個体からでも繁殖が可能であるため、一気に植物を占領していきます。

次に、アブラムシが飛来する理由についてです。これには、肥料が大きく関係しています。肥料の中に含まれている窒素が多く植物に取り入れられると、植物がアブラムシの好物であるアミノ酸を多く生産することが挙げられます。

そのため、肥料を与えすぎるとアブラムシが発生しやすいことになります。

暖かい時期に活性化する

アブラムシには、活動をする期間にも特徴があります。他の昆虫の多くがそうですが、暖かい時期を中心に活動をする傾向があります。そのため、春から秋先にかけては、アブラムシが多く発生することを念頭に置いておくべきです。

では、冬の間のアブラムシはどうしているのでしょうか。寒い地域であれば、卵の状態で冬を越す種類が多いです。しかし、比較的温暖な本州や南の地域であれば、繁殖数は減るものの、冬でも繁殖活動がされています。

活性化する期間は暖かい時期ですが、一年を通して活動をする虫だと捉えておきましょう。

アブラムシに有効な薬剤はコレ!

オルトラン液剤

アブラムシ対策として、まずご紹介させていただくのがオルトラン液剤です。

オルトラン液剤は、アブラムシを中心とした害虫に効果があります。その他の害虫についても駆除ができるため、オールマイティな使い方ができるのが特徴です。また、液剤であるため、散布することで広い範囲での薬剤の効果が期待できます。

液剤だけではなく、粒タイプの農薬も販売されています。このタイプは、植物の根元に置いておくだけでアブラムシをはじめ、害虫を駆除できる効果があります。用途に合わせて適切なものを用いましょう。

ベストガード粒剤

次にご紹介するのが、ベストガード粒剤です。この薬剤は、アブラムシが発生した時の対処だけではなく、アブラムシが発生しないようにという予防策としても使用できるものとなっています。

ベストガード粒剤が対象としているのは、植物から汁を吸うタイプの害虫です。アブラムシだけではなく、汁を吸う害虫ならばその他のものも駆除が可能になります。

一度散布を行うと、効果が持続するのも特徴です。持続期間は、散布や環境によって変わりますが、1ヶ月から2ヶ月の持続効果があるとされています。ですので、頻回に散布をしなくても良いというメリットもあります。

まとめ

アブラムシは作物の汁を吸って成長を阻害するだけではなく、ウィルスの媒介やアリを誘き寄せるという害をもたらします。

このような被害を受けないためにも、アブラムシについては予防と対策をしっかりと行っておきましょう。特に、既に発生してしまっている場合は、農薬を使用するなど即座に対処をしてください。

アブラムシ以外の害虫についてもまとめています。→家庭菜園やガーデニングの害虫対策まとめ

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家庭菜園やガーデニングの病気対策まとめ

家庭菜園やガーデニングを行っていると、育てている植物が病気にかかってしまうことがあります。この病気は、適切に対策をしておかないと、植物そのものを著しくダメにしてしまいます。

今回はよく起こりがちな家庭菜園やガーデニングの病気と、その対策についてまとめてみました。

そうか病とは?

症状と原因

そうか病とは、植物の食用部分や果実に瘡蓋のような瘡部ができてしまう症状があります。そうか病が発生するのは、ジャガイモや柑橘類が多いとされています。

ジャガイモに起こるそうか病については、見た目の悪い斑点部分を皮ごと落とすことによって、食べることは可能です。それに、味の変化はありません。ですが、柑橘類にできたそうか病はその果実の風味を落とす原因となりますので、対策が必須です。

そうか病の原因は、細菌類、菌類、原生生物と様々です。ジャガイモや柑橘類によって、その原因となる生物が違ってきます。

対策方法

そうか病の対策としては、農薬などの薬剤の使用が一般的です。農薬を使用するのは、作物だけではなく、土壌そのものも対象となります。

使用する薬剤の種類については、先述したそうか病となる病原の種類によって変わってきます。自分が育てている作物やその症状から、そうか病の病原を判断し、適切な農薬を使用しましょう。そうすることで、そうか病の被害を少なくすることができます。

ベト病とは?

症状と原因

ベト病の症状は、植物の葉に太陽で焼けてしまったような白い斑点ができる病気です。一見すると斑入りのように見えますが、どんどんと進行して植物を枯らしてしまうことになります。

ベト病になる原因は、卵菌という細菌が植物に感染することによって発症します。この細菌は植物の葉の裏にある気孔から侵入しますので、かなりかかりやすい病気です。

対策方法

ベト病はその進行具合によって対策方法も変わってきます。まだ初期症状である場合は、ベト病が発症している枯れた葉を切ることによって、細菌の繁殖を防ぐことができます。この時にできるだけ、多くの発症している葉っぱを排除してください。

症状がある程度広がってしまった時は、ベト病に効く農薬を使用しましょう。ベト病対策の農薬は、市販されていますので、簡単に手に入れることができます。

モザイク病とは?

症状と原因

モザイク病は、葉っぱに斑点状の模様が現れてしまう病気です。斑点が発生した後、葉緑素が茎だけに集中してしまったり、葉っぱや果実に奇形を生じさせたりする症状が出ます。

この病気はその他の病気とは違って、ウィルスが原因となっている病気です。そして、全ての植物が感染する可能性を持っています。

対策方法

モザイク病はウィルスが原因となっている病気であるため、一度かかってしまうと根本的な治療は行うことができません。そのため、予防策が重要になります。

ウィルスをアブラムシなどが運んできたり、収穫時に人の手から感染することが確認されています。ですので、アブラムシ対策としてシルバーシートやネットを用いたり、収穫時には消毒をこまめにするなどの予防策があります。

うどんこ病とは?

症状と原因

うどんこ病は、葉っぱの上にうどん粉が降ったような症状が出る病気です。見た目からして、簡単にうどんこ病に罹患していると判断することができます。

この葉っぱに粉を降らしたように白くなるため、葉緑素が少なくなり、光合成ができにくい体質となります。そこから、植物の生育が遅くなったり、果実の実りが無くなったりという症状が出現します。

うどんこ病の原因は、ウドンコカビ科の菌類が葉っぱに感染することで起こります。

対策方法

初期のうどんこ病については、感染している葉っぱを切り取るなどして、処分するようにしましょう。初期症状はこれだけで対策が可能です。また、酢を希釈したものや重曹を葉にかける方法でも対処可能です。

症状が広がってしまった場合は、うどんこ病に効くタイプの農薬を使用しましょう。

真夏と真冬であれば、うどんこ病の繁殖の適温から外れます。ですので、自然に症状が治る傾向があります。

まとめ

家庭菜園やガーデニングをするならば、今回ご紹介した病気などに気をつけるようにしてください。そして、もしもこれらの病気に罹ってしまった場合は、焦らずに対処しましょう。

病気の種類にもよりますが、多くの病気は適切な対処ができれば回復することがあります。植物の生命力を信じて、症状にあった対処法を行うようにしてください。

花を害虫から守るために薬剤を散布

家庭菜園やガーデニングの害虫対策まとめ

家庭菜園やガーデニングを邪魔してくるのが、害虫たちです。

一般的な家庭にも発生する害虫と、その対策について種類ごとにまとめてみました。

カタツムリ・ナメクジ対策

農薬や塩・砂糖、トラップで対処

カタツムリやナメクジは、浸透圧の関係で塩や砂糖に弱いです。ですので、それらを振りかけるだけでも退治することができます。その他に、農薬の使用でも、対策をすることが可能です。

また、飲料のビールを好む性質があります。この性質を応用して、器にビールを入れるトラップを作っても対処できます。

暗く湿度が高い場所を作らない

カタツムリとナメクジは乾燥する場所を嫌うため、暗く、湿度が高い場所を好みます。そのため、植物の近くにカタツムリとナメクジが好む場所があると、その被害に遭いやすい傾向があるのです。

このことから、できるだけ物陰を少なくし、暗く湿度が高い場所を作らないようにしましょう。そうすれば、カタツムリやナメクジの繁殖を少なくすることが可能になります。

アザミウマ対策

シルバーシートを活用

アザミウマはどのような植物にも発生する害虫です。そのため、適切な対処が必要になります。

このアザミウマは、太陽光を嫌う傾向があります。ですので、農作物にシルバーシートをかけるなどして、太陽光を反射する仕掛けで対策が可能です。

また、丈の短い野菜であれば、防虫ネットを張ることによっても対策ができます。

農薬の使用を適切に行い、天敵の虫を生かす

アザミウマは、テントウムシやカメムシの仲間が天敵です。しかし、農薬が使用されてこれら天敵の虫がよりつかなくなると、アザミウマが繁殖する原因となってしまいます。

農薬の使用を適切に行い、アザミウマの天敵とされる虫を生かすことができれば、これら天敵の虫が益虫としてアザミウマを攻撃してくれます。農薬を使いすぎたり、益虫に影響がでたりしないようにしましょう。

ダンゴムシ対策

複数の農薬を用途に応じて使用

ダンゴムシ対策の一つとして農薬を使用する方法があります。その農薬には、スプレータイプのものから、粉末状のもの、そしてダンゴムシに食べさせる形で効果を発揮するものなどの種類があります。

少数のダンゴムシには、スプレーを。広く強い効果を求める場合、粉末のものや食べさせる農薬を使いましょう。

ダンゴムシの餌となるものを排除しておく

ダンゴムシは湿気のある場所を好みます。
そして、餌となる枯葉などがある場所も好んで生息し、繁殖するようになります。そのため、ダンゴムシの餌となるものを排除しておきましょう。

枯葉などを掃除するのはやや手間がかかります。ですが、被害を少なくするために、こまめな掃除が大切です。

コナジラミ対策

粘着性のトラップで駆除

コナジラミは農薬を使わなくても駆除することが可能です。その方法の代表例として、粘着性のトラップの使用が挙げられます。

黄色い色をコナジラミは好む傾向があります。ですので、黄色く着色した粘着性のトラップを用意しましょう。そうするだけで、多くのコナジラミを自然と駆除することが可能です。

防虫ネットや他の植物でも飛来を防ぐ

コナジラミの被害を防ぐには、コナジラミを飛来させないことも重要になります。その方法としては、防虫ネットや他の植物の利用が挙げられます。

防虫ネットは、一般的な使用方法でかまいません。他の植物の利用については、育てている植物よりも高い背丈の植物を、守りたい植物の周りに配置するという方法です。

アオバハゴロモ対策

捕獲して直接的な駆除を

アオバハゴロモが植物に繁殖しているのを見かけた場合、捕獲をするなどして、直接的な駆除をすることが第一策です。

アオバハゴロモの幼虫であれば、紙などを使って捕りましょう。この時、分泌物を植物につけていることがありますので、それも一緒に拭き取ります。成虫であれば、虫取り網などで捕獲をしてください。

大量発生や予防には農薬の使用を行う

アオバハゴロモは、少ない数であれば上記のような直接的な駆除を行うことができます。しかし、大量に発生していた場合は、農薬を用いて駆除を行いましょう。

また、アオバハゴロモは、毎年同じ場所に帰ってくる習性もあります。ですので、次年度にアオバハゴロモがやってこないように、あらかじめ農薬で予防をしておくという方法もあります。

まとめ

家庭菜園やガーデニングで植物を育てる上では、害虫対策は必ず行わなければならないことです。今回ご紹介した害虫への対策方法を参考にし、適切な対処を行うようにしてください。

また、今回紹介した害虫以外にも、植物を狙う害虫は多いです。ですので、その他の害虫についても対策の知識を得ておくことも念頭に置いておいてください。

家庭菜園では、害虫対策以外にも病気対策も必要です。→家庭菜園やガーデニングの病気対策まとめ