植物生育調整剤

植物の生育調整剤についての基礎知識

植物には肥料とは違い、その育成を調整するための薬剤があります。では、その植物の育成調整剤とはどのようなものなのでしょうか。

基礎的な植物の育成調整剤に関する概要と、その種類、メリットやデメリットについて解説していきます。

植物の育成調整剤とは何か

植物の成長をコントロールするための薬

植物の育成調整剤は、簡単に言うと植物の成長をコントロールするために用いるものです。成長を促進する物と、逆に成長を抑制するものもあります。用途に応じて、適切な育成調整剤が用いられるのです。

育成調整剤の中には、植物自体が作り出すホルモン、いわゆる植物ホルモンの効果に作用する成分が含まれています。この成分は、植物に合わせて様々なものが用いられます。ですので、植物の育成調整剤には非常に多くの種類があります。

通常の育て方をしていたのではコントロールが難しい、植物の育成。その自由なコントロールを可能にしてくれるのが、この育成調整剤だと言えるでしょう。

品質を高めるために必要

育成調整剤を用いる理由は、植物の品質を高めることが目的です。一般的な育成方法をしていたのでは、高品質な植物を成長させるのは困難ですが、育成調整剤を用いればそれが容易になります。

例えば、果実を育てるのであれば、成長促進のために育成調整剤を用います。そうすれば、果実は大きく味も良くなります。また、芝生など伸びすぎると邪魔になる植物については、成長を抑制するために育成調整剤を用います。

このように、植物の品質を高める上で、育成調整剤の活用は欠かせない要素となっているのです。

植物育成調整剤の種類

水稲、果樹、園芸用などがある

植物育成調整剤には、幾つかの種類があります。分類の仕方にもよりますが、効能を大きな括りで分けるとすれば、植物の成長を育成する薬剤と成長を抑制する薬剤になります。

また、その効能がある植物の種類で分けるとすれば、米などが含まれる水稲用のもの、実成る木に効果がある果樹用のもの、草類や花類などに使える園芸用のものに分けられます。ただし、これらに分類されない植物育成調整剤もありますので、注意しておきましょう。

育成調整剤を用いる際は、これら効果のある種類を適切に見極めることが必須です。間違えて使用しても、効果が無いか、もしくは悪い効果が出るようになります。

植物によって多彩な種類が用意されている

市販されている植物育成調整剤は単純に分類できるものではありません。たとえ果樹の成長を促進できるタイプのものであったとしても、柑橘類に適しているとか、メロンの育成に適しているなど、薬剤には細かな適正が存在しているからです。

この適正は、植物の種類によって変わります。植物によってこれだけ多彩な種類が用意されていますので、育成調整剤は効果があると注意書きに書かれている種類の植物に対して使用しましょう。

また、同じ効果を持つ育成調整剤でも、メーカーによって効果が変わります。その点にも留意しておきましょう。

植物育成調整剤のメリットとデメリット

メリットについて

植物育成調整剤には、それを使うことによって得られるメリットと、逆にリスクとなるデメリットがあります。

まずメリットの点からご紹介いたしましょう。植物育成調整剤のメリットとしては、前項までにも文章の中に出てきていますが、植物の成長をコントロールできるという点が挙げられます。

また、成長を促進するという点からは、収穫期間を短くすることや育成期間を短くして植物の管理費用を減らせるというメリットも派生します。そのため、経済的なコストの面にも、植物育成調整剤は効果をもたらしてくれるのです。

デメリットについて

では、植物育成調整剤のデメリットとはどのようなものでしょうか。

そのデメリットとしては、取り扱いを間違えると植物に大きなダメージを与えてしまう危険性があることが挙げられます。植物育成調整剤は、農薬に分類されます。ですので、植物そのものに対して大きな影響力を持ちます

育成調整剤が適切に使用できていれば理想的な効果を得られますが、使用方法を誤ってしまうと、成長が止まってしまったり果実がつかなかったりと、大きなダメージを受ける可能性を含んでいます。

このようなデメリットのため、使用には多少の知識が必要ですし、取り扱いには十分に注意しなければなりません。

まとめ

植物育成調整剤の概要や、その種類、そしてメリットやデメリットについて紹介させていただきました。

植物育成調整剤は、理想的な植物の成長を実現します。ですので、デメリットに配慮しながら、上手に利用しましょう。

肥料について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

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肥料

有機肥料と化成肥料の違い:メリットとデメリットまとめ

肥料には大きな枠で分類すると、有機肥料と化成肥料の二つが存在しています。そしてこの二つには、それぞれにメリットとデメリットがあります。

それでは、有機肥料と化成肥料の違いや、メリットとデメリットとはどのようなことが挙げられるのでしょうか。それらをまとめてみましたので、ご覧ください。

有機肥料のメリットとデメリット

メリット

有機肥料は、植物や動物などの有機物を原料にして作られている肥料です。

有機肥料のメリットは

持続的に植物が栄養吸収できる
土の中の微生物の栄養にもなる
土壌改良(土が水分や養分を吸収しやすくなる)を行える

以上が代表的なものとなります。

有機肥料は、有機物を用いていることから、自然に植物の成長を促進できるということが良い点になります。

デメリット

有機肥料には、良い点もありますが、それに反してデメリットも存在してます。

有機肥料のデメリットは

効果が出るまでに時間がかかる
含有されている栄養素の量が細かくわからない
コスト面で化成肥料より高い傾向がある

などが挙げられます。

有機肥料は自然な育て方ができる反面、上記のような時間的、労力的、コスト的な面でのデメリットが存在しています。

化成肥料のメリット・デメリット

メリット

化成肥料は、有機肥料とは違って有機物を使用していません。空気中の元素や、鉱物などの無機物を使って人工的に作り出した肥料になります。

そんな化成肥料のメリットとして挙げられるのが、

水に溶けて効果が早く出る
明確な成分量が含まれているので使いやすい
取り扱いの労力が少なくて済む

などです。

有機肥料に比べて、即効性や成分量などがしっかりと統一されていることが、化成肥料のメリットです。そしてこれらのメリットは、有機肥料のデメリットの多くを補える傾向があります。

デメリット

有機肥料にデメリットがあるように、化成肥料にもデメリットはあります。

化成肥料のデメリットとしては、

使いすぎることで植物に悪影響が出る
土の品質を良くする(土壌改良)ことができない
化成肥料のみを使用すると、土の柔らかさが無くなる

などが代表的なものとなります。

化成肥料のデメリットは、有機肥料で補うことができる傾向があります。そのため、有機肥料と化成肥料はうまく配合したり、使い分けたりすることが大切になってきます。

肥料は土作りに関係している

品質の良い土とは

農作物や植物を育てる際には、土作りが重要であると言われています。これは、土の養分を吸収して植物が育ったり、土の性質によって植物が水を多く得たりできるからです。そして良い土は、肥料で作ることができます。肥料と土作りの関係性の前に、一般的に言われている品質の良い土について考えてみましょう。

良い土は、保水力があること、さらに水はけも良いこと、そして多くの栄養素を含んでいる、という三要素が挙げられます。このような土になる条件として、pH値が適正であったり、余分な土の混ざりが少ない、養分を作る微生物が多いなどがあります。

以上のような条件を充し、良い土にする上で、肥料はとても使えるアイテムとなります。

肥料で良い土を作るメカニズム

良い土は自然にも多く溢れています。ですが、自然の良い土を手に入れられないこともあるでしょう。また、一度作物を育てた土を再び良い土にしたりする必要も出てきます。そのような場合、肥料を使って良い土を作ります。

肥料の中には、植物が育つために必要となる窒素、リン酸、カリウムが含まれます。そして、有機肥料であれば、土の中の微生物が育ったり、土が柔らかくなったりする特性があります。これらをうまく土に配合すれば、人工的に良い土を作ることができるのです。

自分で肥料の一つである堆肥を作ることもできますが、枯葉や枯れ草、石灰などを用いて、数ヶ月土を寝かさなければなりません。肥料は、その大きな労力を軽減してくれる、優れた製品です。

まとめ

有機肥料と化成肥料には、それぞれにメリットとデメリットがあります。そして、基本的に有機肥料と化成肥料のメリットは、お互いのデメリットを補うような働きをしてくれます。そのため、二つの肥料の使い分けが、良い土作りや、良い農作物の育成には欠かせないポイントです。

植物にとって重要な土作りは、二つの肥料を上手に使うことで可能です。二つの肥料のメリットとデメリットを熟知した上で、効率の良い土作りを行うようにしてください。

さらに幅広く肥料全体についてもまとめています。→肥料の種類と効果まとめ

葉にいるアブラムシ

アブラムシの駆除や対策まとめ

植物を育てる上で、多くの被害をもたらす害虫の一つがアブラムシです。

このアブラムシは、駆除や対策をする方法があります。もしも発生してしまった時の対処や、未然に発生を防ぐための予防策など、十分な知識を身につけておくべきです。

今回はそのアブラムシの駆除や対策についてまとめましたので、ご覧ください。

アブラムシとはどんな虫?

植物の師管液を栄養に生きる

アブラムシとは、カメムシ目、アブラムシ科に所属する虫の総称です。植物に寄生して生息することで有名な虫となっています。

アブラムシが植物に寄生するのは、植物の中にある師管という部分を流れる師管液が餌になるからです。この師管液を栄養にして、生息しています。羽がついている個体以外は植物から移動することはなく、ずっと同じ植物に寄生して生きます。

このアブラムシがもたらす被害として、植物の育成を阻害したり、病原菌を媒介したりすることが挙げられます。これらの被害が起こるため、アブラムシの対策は植物を育てる上では必須とされているのです。

アリと共生する種も多い

アブラムシはとてもひ弱な昆虫です。その種類にもよりますが、簡単にダメージを受けてしまうような体をしている種類も多いです。しかし、そのようなデメリットを補うために、アリと共生する種類が多いのが特徴でしょう。

アリはアブラムシにとって、天敵から身を守ってくれるありがたい存在です。アブラムシの排泄物には糖分が含まれており、それをアリは好みます。

以上の点からも分かるように、アリに食物を与え、その見返りとして天敵から守ってもらうというギブアンドテイクの関係が出来上がっています。

アブラムシが発生する原因と特徴

肥料を与えすぎると発生する

植物の害虫であるアブラムシには、発生する原因や特徴があります。まず、アブラムシは特定の個体に羽が生えており、その個体が植物に飛来して寄生します。一つの個体からでも繁殖が可能であるため、一気に植物を占領していきます。

次に、アブラムシが飛来する理由についてです。これには、肥料が大きく関係しています。肥料の中に含まれている窒素が多く植物に取り入れられると、植物がアブラムシの好物であるアミノ酸を多く生産することが挙げられます。

そのため、肥料を与えすぎるとアブラムシが発生しやすいことになります。

暖かい時期に活性化する

アブラムシには、活動をする期間にも特徴があります。他の昆虫の多くがそうですが、暖かい時期を中心に活動をする傾向があります。そのため、春から秋先にかけては、アブラムシが多く発生することを念頭に置いておくべきです。

では、冬の間のアブラムシはどうしているのでしょうか。寒い地域であれば、卵の状態で冬を越す種類が多いです。しかし、比較的温暖な本州や南の地域であれば、繁殖数は減るものの、冬でも繁殖活動がされています。

活性化する期間は暖かい時期ですが、一年を通して活動をする虫だと捉えておきましょう。

アブラムシに有効な薬剤はコレ!

オルトラン液剤

アブラムシ対策として、まずご紹介させていただくのがオルトラン液剤です。

オルトラン液剤は、アブラムシを中心とした害虫に効果があります。その他の害虫についても駆除ができるため、オールマイティな使い方ができるのが特徴です。また、液剤であるため、散布することで広い範囲での薬剤の効果が期待できます。

液剤だけではなく、粒タイプの農薬も販売されています。このタイプは、植物の根元に置いておくだけでアブラムシをはじめ、害虫を駆除できる効果があります。用途に合わせて適切なものを用いましょう。

ベストガード粒剤

次にご紹介するのが、ベストガード粒剤です。この薬剤は、アブラムシが発生した時の対処だけではなく、アブラムシが発生しないようにという予防策としても使用できるものとなっています。

ベストガード粒剤が対象としているのは、植物から汁を吸うタイプの害虫です。アブラムシだけではなく、汁を吸う害虫ならばその他のものも駆除が可能になります。

一度散布を行うと、効果が持続するのも特徴です。持続期間は、散布や環境によって変わりますが、1ヶ月から2ヶ月の持続効果があるとされています。ですので、頻回に散布をしなくても良いというメリットもあります。

まとめ

アブラムシは作物の汁を吸って成長を阻害するだけではなく、ウィルスの媒介やアリを誘き寄せるという害をもたらします。

このような被害を受けないためにも、アブラムシについては予防と対策をしっかりと行っておきましょう。特に、既に発生してしまっている場合は、農薬を使用するなど即座に対処をしてください。

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枯れたトマトの苗木

家庭菜園やガーデニングの病気対策まとめ

家庭菜園やガーデニングを行っていると、育てている植物が病気にかかってしまうことがあります。この病気は、適切に対策をしておかないと、植物そのものを著しくダメにしてしまいます。

今回はよく起こりがちな家庭菜園やガーデニングの病気と、その対策についてまとめてみました。

そうか病とは?

症状と原因

そうか病とは、植物の食用部分や果実に瘡蓋のような瘡部ができてしまう症状があります。そうか病が発生するのは、ジャガイモや柑橘類が多いとされています。

ジャガイモに起こるそうか病については、見た目の悪い斑点部分を皮ごと落とすことによって、食べることは可能です。それに、味の変化はありません。ですが、柑橘類にできたそうか病はその果実の風味を落とす原因となりますので、対策が必須です。

そうか病の原因は、細菌類、菌類、原生生物と様々です。ジャガイモや柑橘類によって、その原因となる生物が違ってきます。

対策方法

そうか病の対策としては、農薬などの薬剤の使用が一般的です。農薬を使用するのは、作物だけではなく、土壌そのものも対象となります。

使用する薬剤の種類については、先述したそうか病となる病原の種類によって変わってきます。自分が育てている作物やその症状から、そうか病の病原を判断し、適切な農薬を使用しましょう。そうすることで、そうか病の被害を少なくすることができます。

ベト病とは?

症状と原因

ベト病の症状は、植物の葉に太陽で焼けてしまったような白い斑点ができる病気です。一見すると斑入りのように見えますが、どんどんと進行して植物を枯らしてしまうことになります。

ベト病になる原因は、卵菌という細菌が植物に感染することによって発症します。この細菌は植物の葉の裏にある気孔から侵入しますので、かなりかかりやすい病気です。

対策方法

ベト病はその進行具合によって対策方法も変わってきます。まだ初期症状である場合は、ベト病が発症している枯れた葉を切ることによって、細菌の繁殖を防ぐことができます。この時にできるだけ、多くの発症している葉っぱを排除してください。

症状がある程度広がってしまった時は、ベト病に効く農薬を使用しましょう。ベト病対策の農薬は、市販されていますので、簡単に手に入れることができます。

モザイク病とは?

症状と原因

モザイク病は、葉っぱに斑点状の模様が現れてしまう病気です。斑点が発生した後、葉緑素が茎だけに集中してしまったり、葉っぱや果実に奇形を生じさせたりする症状が出ます。

この病気はその他の病気とは違って、ウィルスが原因となっている病気です。そして、全ての植物が感染する可能性を持っています。

対策方法

モザイク病はウィルスが原因となっている病気であるため、一度かかってしまうと根本的な治療は行うことができません。そのため、予防策が重要になります。

ウィルスをアブラムシなどが運んできたり、収穫時に人の手から感染することが確認されています。ですので、アブラムシ対策としてシルバーシートやネットを用いたり、収穫時には消毒をこまめにするなどの予防策があります。

うどんこ病とは?

症状と原因

うどんこ病は、葉っぱの上にうどん粉が降ったような症状が出る病気です。見た目からして、簡単にうどんこ病に罹患していると判断することができます。

この葉っぱに粉を降らしたように白くなるため、葉緑素が少なくなり、光合成ができにくい体質となります。そこから、植物の生育が遅くなったり、果実の実りが無くなったりという症状が出現します。

うどんこ病の原因は、ウドンコカビ科の菌類が葉っぱに感染することで起こります。

対策方法

初期のうどんこ病については、感染している葉っぱを切り取るなどして、処分するようにしましょう。初期症状はこれだけで対策が可能です。また、酢を希釈したものや重曹を葉にかける方法でも対処可能です。

症状が広がってしまった場合は、うどんこ病に効くタイプの農薬を使用しましょう。

真夏と真冬であれば、うどんこ病の繁殖の適温から外れます。ですので、自然に症状が治る傾向があります。

まとめ

家庭菜園やガーデニングをするならば、今回ご紹介した病気などに気をつけるようにしてください。そして、もしもこれらの病気に罹ってしまった場合は、焦らずに対処しましょう。

病気の種類にもよりますが、多くの病気は適切な対処ができれば回復することがあります。植物の生命力を信じて、症状にあった対処法を行うようにしてください。

殺虫剤の安全性

家庭用殺虫剤の安全性について

害虫など、駆除すべき虫が発生した時に使用するのが「殺虫剤」です。この殺虫剤、よく考えてみると、虫を殺す程の威力があるため、人体にも影響があるのでは?と不安になることは無いでしょうか。
この記事では、家庭用殺虫剤の安全性について考えています。その安全性に疑問のある方は、参考にしてみてください。

家庭用殺虫剤とはどのようなものなのか?

一般家庭に出現する害虫を駆除するための製品である

殺虫剤は、業務用に用いるものと一般の家庭に用いるものがあります。そして家庭用殺虫剤は、一般家庭に多く出てくる害虫を駆除する目的で作られている製品です。
一般家庭で出てくる害虫の代表例としては、ゴキブリ、ムカデ、ハエ、蚊などが挙げられます。家庭用殺虫剤は、これらの虫を駆除できるように計算されて作られています。
また、家庭の屋内だけではなく、園芸の場で出現する虫にも簡単に使える殺虫剤があります。これも家庭用殺虫剤に含まれます。

取り扱いが簡単であるのが特徴

家庭用殺虫剤の大きな特徴は、業務用のものと違って*取り扱いが簡単なのが大きな特徴です。例としてスプレータイプの家庭用殺虫剤を挙げれば、ストッパーを外してトリガーを引くだけで殺虫剤を噴射できるなど、直感的な使用ができるようになっていることが分かります。
取り扱いの点では、入手しやすいのも家庭用殺虫剤の特徴です。一般的なドラッグストアや、スーパーマーケットで購入することができます。ですので、必要な時にすぐに用意できるメリットもあります。

家庭用殺虫剤の安全性は?

薬機法の基準で検査されている

家庭用殺虫剤は危険ではないのかと気になる方も多いでしょう。しかし、その点については安心してください。家庭用殺虫剤は、薬機法によって取り締まられています。そのため、衛生害虫を駆除するものについては厚生労働省が審査をすることが義務付けられているのです。
また、衛生害虫向け以外の殺虫剤についても、各メーカーが薬機法に定められている基準で検査を行っています。それゆえに、間違った使用法をしなければ、家庭用殺虫剤の安全です。

人体に影響の無い成分で作られている

家庭用殺虫剤は、安全性が高いことが担保されています。
それゆえに、取り扱いが簡単であるという特徴があります。その安全性の担保の理由として、上記のような検査がしっかり行われていることに加え、人体やその他の生物に影響の少ない成分で作られていることが挙げられます。
特殊な殺虫剤を除き、多くの殺虫剤は人間のような哺乳類の場合、人体ですぐに分解されるようになっています。当然、同じ哺乳類である犬や猫などのペットにも、安全性が示されています。
また、殺虫剤の成分は、哺乳類などの動物だけではなく、植物にも大きく影響を与えないものが多いです。環境的にも安全だと言えるでしょう。

ピレスロイド系の殺虫成分について

ピレスロイド系殺虫剤の特徴

現存する家庭用殺虫剤の多くに含まれているのが、ピレスロイドと呼ばれる種類の殺虫成分です。このピレスロイド系殺虫剤の特徴としては、虫の神経に影響を与えて駆除する点が挙げられます。さらに微量でも十分な効果を発揮し、さらに即効性があるなども、ピレスロイド系殺虫剤の大きな特徴でしょう。
それに、ピレスロイド系の殺虫剤は虫が本能的に嫌がります。ですので、殺虫剤としてではなく、虫除け剤としても使用することが可能な成分にもなるのです。

人体の中に入ってもすぐに分解される成分である

ピレスロイド系の殺虫成分は、虫に大きな影響を与えます。しかし、ピレスロイド系の成分は、哺乳類であれば体の中に入ってもすぐに分解されます。ですので、人への安全性もかなり高いです。
また、成人だけではなく、小さいお子さんであったとしてもピレスロイド系の殺虫成分は基本的に害がありません。それにペットや虫以外の生物にも悪影響を及ぼすリスクが少ないです。この点から、ピレスロイド系の成分は、多くの殺虫剤に用いられているのです。

まとめ

強力な殺虫効果を発揮する家庭用殺虫剤。それゆえに、人体の健康にもある程度の影響があるというイメージがあったかもしれません。しかし、家庭用殺虫剤を詳しく見てみると、適切な基準が用いられており、人体には影響が無いことがわかります。
間違った使い方をすれば健康被害はあるかもしれませんが、普通に使用している限りでは、家庭用殺虫剤は安全です。この事実を知ったことにより、安心して殺虫剤を使用することが可能になるでしょう。
ハエやゴキブリなどの駆除方法もまとめています!→家庭ではどう使う?殺虫剤の使い方をご紹介
害獣となるネズミ

意外に使う人も多い?ネズミを駆除する薬剤

一般家庭には、時としてネズミが住み着いてしまうことがあります。
家庭ならまだいいのですが、なんと畑にも住みつき、農作物を荒らすことがよくあります。
ネズミは見た目は可愛らしいですが、家財や農作物・食料を傷つけたり細菌の媒介をしてしまったりする厄介な動物です。そのため、適切な駆除を行う必要があります。
その駆除において、ネズミを駆除する薬剤が使われていることも多いです。
そんなネズミ専用の駆除剤についての詳細や、適切な使い方をご紹介いたします。

ネズミ駆除の薬剤とはどのようなもの?

ネズミ駆除剤の成分は大まかに分けて二通り

ネズミ駆除剤は、一般的には殺鼠剤と呼ばれています。この殺鼠剤の成分は、大きく分けて累積毒剤と急性毒剤の二つに分類することができます。
累積毒剤は、継続してその毒をネズミに与えることで効果を与えるものです。代表的な成分として、ワーファリンが挙げられます。ワーファリンは、人間にも抗血液凝固剤として用いられる薬剤です。
急性毒剤の方の成分は、黄燐、リン化亜鉛などが有名で、最近ではジフェチアロールなども代表的なものとなっています。累積毒剤に耐性を持った「スーパーラット」と呼ばれるネズミにも効く、強い毒性を持つ殺鼠剤に含まれています。

ネズミにうまく殺鼠剤を食べてもらうには

殺鼠剤は主に、ネズミに餌として食べさせる形で投与するものです。そのため、うまくネズミに食べてもらえるような工夫をすると、その殺鼠効果は高まります。
殺鼠剤をネズミにうまく食べさせる工夫として、他の食材に混ぜるなどの方法があります。ネズミの好物である食物の種と一緒に殺鼠剤を設置しておくと良いでしょう。また、殺鼠剤の中にはすでに食物の種とセットになっている製品もあります。
また、ネズミは嗅覚が敏感であることから、調味料のソースなどを殺鼠剤にかけておくことも有効です。ネズミが香ばしい匂いにつられて、殺鼠剤を食べる確率を高められます。

ネズミが嫌がる忌避剤について

ネズミの忌避剤とは?

ネズミ対策のもう一つの薬剤として用いられるのが、忌避剤です。忌避剤とは、殺鼠剤のように個体を殺すのではなく、その場所に近づけなくするために用いる薬剤になります。
忌避剤には、主に刺激性のある匂いを持つ成分が用いられています。その代表的なものとしては、ワサビと琉球ハーブが挙げられます。

ワサビなどは人間からしても、とても刺激的な成分を持つ食品です。先ほども述べましたが、ネズミの嗅覚は優れています。そのため、これらの刺激性のある香りの薬剤を設置することで、ネズミはその場所に近寄らなくなるのです。

忌避剤の適切な使い方

多くの忌避剤は、基本的に設置するだけでその効果を発揮してくれます。忌避剤内部にある成分が揮発するようにセッティングし、忌避剤をネズミの好む場所に設置するだけです。なお、ネズミの好む部分としては、天井裏、床下、部屋の隅の狭い場所などが挙げられます。
また、忌避剤の中には匂いと燻煙の二つを用いるものもあります。このタイプの忌避剤を用いる場合は、燻煙が家財やペットなどにダメージを与えます。ですので、精密機器を片付けたり、ペットなどを忌避剤を用いる場所から離したりして、必ず適切な準備をしましょう。

ネズミの侵入経路・行動範囲を把握しよう

ネズミは各所の隙間から家屋へと侵入する

ネズミの駆除剤や忌避剤を設置する位置として、ネズミの侵入口付近も適切な場所と考えられます。では、ネズミはどのような侵入経路で家屋に入ってくるのでしょうか。実は、至る所にその侵入口があります
侵入口・経路としては
・屋根裏の通気口
・家屋と電線を繋げている隙間
・換気扇の隙間
・家屋と配管が接続している部分の隙間
・壁に開いたヒビ割れや穴
・家屋とその土台との間
などが主なものとして挙げられます。
しかし、これ以外にも「隙間さえあればネズミは侵入する」と考えていた方が良いでしょう。
正直、素人がネズミの侵入経路を把握して、侵入を防ぐのはかなり難しいです。
10円玉くらいの大きさであればネズミは侵入するので、家のすべての穴や侵入口を把握するのは、ほぼ不可能に近いでしょう。
ただし、プロのネズミ駆除業者であれば、侵入口の封鎖までバッチリやってくれます。
業者選びのポイントは、経験と実績の豊富な業者に頼むこと。
私のおすすめの専門業者には、このページから依頼できます
確実に侵入口をふさぎたいなら、やはりプロ一択だと思います。

ネズミはどのような行動範囲で生活するのか

ネズミの行動範囲がどれくらいか知っておくことは、殺鼠剤や忌避剤を用いる上で重要です。ではそのネズミの行動範囲はどれくらいなのかというと、都会に多くいるクマネズミで30m程度と言われています。
30mというと、隣家は十分移動範囲に入ります。ですので、隣の家のネズミが自宅に移動してくるというケースも少なくありません。
また、30mは家屋の中であれば床下から天井まで十分移動できる距離でもあります。
そのため、殺鼠剤や忌避剤は、一部分だけに設置するのではなく、屋内の要所にまんべんなく設置しておくことが大切であることが分かります。
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まとめ

ネズミ対策で用いる駆除剤は、使い方を工夫すればとても効果があります。しかし、適切ではない使い方をすれば、その効果を十分に発揮できません。
薬剤やネズミの性質を理解し、十分な効果が出るように使用しましょう。